南海平野線 その６ 〜田辺・駒川町・中野〜 [廃線跡探訪]
阪和線の跨線橋をくぐり、更に平野に向かって歩いていきます。
田辺停留場跡の近くには、地下鉄谷町線の田辺駅が新設されました。その少し南東で、線路跡の側道は「駒川」という小さな川を渡ります。当然ながら、南海平野線もこの川を渡っていたわけで、橋の遺構が残っていないかどうか探したのですが、見つかりませんでした。
線路跡、殊に私鉄の線路跡が国公有地・国公有施設に転用された場合、その構造物は撤去される場合が多いように思います。西大寺鉄道の橋台においても、対になった橋台の片側が民有地でもう片側が公有地(道路など)に転用された場合、民有地側のみ残存しているというケースをいくつか見受けました。やはり公有施設となった場合、強度や耐久性に責任を負えない従前構築物を転用することは適切でない、という考え方があるように思われます。
この辺りに駒川町停留場があったと思われますが、当時を知らない私としては、場所の特定はできませんでした。
やがて線路跡の側道は、近鉄南大阪線をアンダークロスします。当然、高架の阪神高速は近鉄を跨ぎます。地下鉄谷町線は、ここに「駒川中野駅」を開設しています(写真・天王寺方から平野方面を望む)。
南海平野線の駒川町停留場と中野停留場が近接していたので、その間に新駅をひとつ設けた、という格好です。
近鉄の跨線橋の阿倍野橋寄り西側(上の写真の左隅に写っているソフトドリンクの自動販売機の真上あたり)に取り付けられている銘板を見ると「南海平野線跨線橋」という文字が辛うじて読み取れました。写真に収めましたが鮮明ではありません。読めますでしょうか?
このあたりから、線路跡の側道は高速道路ともども、大きく左にカーブして、ほぼ真東に向かいます。「今川」という川を渡った少し東に中野停留場があったと思われます。
※写真＝今川東岸にある「今川改修の碑」。写真は北望。石碑の奥の橋が線路跡の道路(右が平野方)。当然ながら、鉄道時代の架橋の遺構は残っていませんでした。
私は５０歳ですが、幼いころ針中野に住んでいました。６歳まで育ったその袋小路かぎ状に右に曲がった突き当たりが私の家で、曲がる手前に中野という「はり屋」さんがありました。
http://www.city.osaka.jp/higashisumiyoshi/spot/spot18.html
中野から平野まで毎日南海平野線に乗って学芸大付属平野幼稚園・小学校に１年生の終わりまで通いました。平野駅の駅前にあった「木村屋」（のちブルメン）は母の実家でした。
当時の風景と重ねるところがないほど変わってしまったので、近くを通っても何もわからないのですが、この記事はその記憶を久しぶりに思い起こそうという気持ちにさせてくれました。
by りゅうさま (2006-05-31 22:24)
田辺の出身のものです。平野線が廃止されたのは私が小学校1年生の頃でした。実家は阪和線に近かったのであんまり平野線に乗ることは
ありませんでしたが、田辺駅の平野行きのホームのすぐ横に駄菓子屋があってよく遊びに行ってました。線路に耳を当てて電車のごとんごとんという音を聞いたり(ふみきりがちりんちりんと鳴り始めたら逃げます)線路に一円玉置いて電車に踏ませてべちゃこくしたり…
ちなみに駒川町の位置はこちらです
http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&grp=all&nl=34/37/11.816&el=135/31/59.718&scl=10000&bid=Mlink
中野はこれです
http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&grp=all&nl=34/37/05.191&el=135/32/11.659&scl=10000&bid=Mlink
親と一緒に近鉄百貨店に行って帰りに駒川のイズミヤに寄って帰る時には平野線で駒川町まで来て、そこから歩いてました。
by ゆう (2007-01-13 11:42)
駒川町で生まれ昭和４０年頃まで約３０年間、田辺キネマ映画館の近所に住んでました。
東田辺小学校に通いました。
田辺キネマの前の道は通称「十三間道路」と言い交通量も当初は少なく良くドッジボールをしたり、夏の夕方には縫い糸の両端に重しをつけたもの（ブリ）を空中に投げギンヤンマを捕ったものです。
当時のお店等で覚えているのは「天野外科」「桝井サンパツ店」などです。
駒川商店街は戦前からあり何でも安く揃うところでした。
チンチン電車に駒川町駅から乗り中学校に通いました。
by ABC (2007-03-03 16:58)
記事を拝見しました。
一寸違うヶ所がありましたので老婆心ながら・・・。
拙作・平野線終焉の映像記録をご覧下されば、ハッキリ分かって頂けるものと思います。
by i-shiba (2010-06-26 17:33)